山梨県立美術館(甲府市)の収蔵庫から昨夏、時価60万円相当の工芸品が盗まれた問題を受けて、収蔵品の全数点検をしていた同美術館は2日、絵画と銅版画の計2点、総額約170万円相当(購入当時の価格)が新たに所在不明となっていることを明らかにした。同館副館長らは全収蔵品の調査点検を20年以上実施していなかったことが原因と説明したうえで、「毎年点検すべきなのに怠っていた」と陳謝した。
所在不明なのは画家山下新太郎がミレー作品を模写した絵画「母親の心づかい」(160万円)と、フランスの画家ジャン=バティスト=カミーユ・コローの銅版画「イタリアの思い出」(5万~8万円)。
同美術館では昨年8月、消防設備の点検中に、点検会社に勤務していた男が収蔵庫から収蔵品を持ち出し、窃盗の疑いで10月に逮捕されたが、美術館は警察から連絡があるまで収蔵品の盗難に気づかなかった。
これを受けて、県は専門家による第三者委員会を立ち上げて再発防止策を講じる一方、ほかに盗まれたものはないか、全所蔵品1万1569点について、現物を確認する作業を2月まで続けてきた。その結果、データベースにある2作品が見当たらないことがわかったという。
県が物品保管について定めた…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル