まわし姿の裸衆が福男を目指し「宝木(しんぎ)」を奪い合う岡山の裸祭り「西大寺会陽(えよう)」の主催者などは3日までに、来年2月20日に規模を縮小して開催すると発表した。今回は新型コロナウイルス禍を受け、争奪戦は行わず、歴代の宝木を取った福男の中から福引形式で令和3年の福男を決める。争奪戦を行わないのは、500年以上の会陽の歴史上、初めて。 西大寺会陽は西大寺観音院(岡山市東区)を会場に、例年2月の第3土曜日に実施されている。毎年1万人のまわし姿の裸衆が参加し、2本の宝木を奪い合う「宝木投下」の熱気から日本三大奇祭の一つとして知られる。室町時代に始まり来年で512回目。 コロナ禍を受け、関係者間で開催可否を検討したが、本来、五穀豊穣(ほうじょう)や疫病平癒の願いをかけるもので「今こそ、会陽の祈りが必要なとき」(主催の西大寺会陽奉賛会)との結論に至り、開催を決断した。 感染対策として争奪戦は中止。平成元年~令和2年までの福男で、存命の141人を招待し、福引形式で令和3年の福男を決める「福男定めの儀」を行う。神事が行われる午後8時半~11時は境内は立ち入り禁止とし、女たちが冷水で水垢離(みずごり)をする「女会陽」や奉納演舞など関連行事は中止する。 儀式の模様はネット中継する予定で、西大寺観音院の坪井綾広住職(44)は「祈りを人々の目に見える形とし、未来につなぐ会陽にしたい」と話している。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース