「ポスト安倍」に意欲を見せる自民党の岸田文雄政調会長が3日、衆院予算委員会で質問に立った。発信力が課題とされてきた岸田氏だが、質問では憲法改正や経済政策で独自色をアピール。安倍晋三首相主催の「桜を見る会」についても政府側に注文をつけた。
「地方で対話集会を行うと(「9条への自衛隊明記」以外に)反応を示す参加者も多い。私は幅広いアプローチを続けたい」
岸田氏は、9条改正にこだわりを持つ首相に対し、あえて党改憲案に盛り込んだ「教育充実」など9条以外のテーマで改憲議論を進める必要性を強調した。
経済政策についてもアベノミクスを評価しつつ、「もうけたものが幸せにどうつながっていくかが大事。国民1人1人の幸せに濃淡があるのではないかと危惧している」と述べ、中間層支援などを訴えた。
岸田氏は次期総裁選への出馬を明言しているが、知名度や発信力で石破茂元幹事長の後塵(こうじん)を拝している。良好な関係を築く首相からの禅譲頼みと指摘される中で、いかに違いを打ち出すかが重要になっている。
岸田氏は桜を見る会に関し「反省すべきは反省し、説明責任を果たし、国民の信頼を回復していく必要がある」と首相に迫った。
「ぜひ新しい時代に向け、政治の責任を果たすため、政府と力を合わせて、努力を続けていきたい」
岸田氏は質問をこう締めくくり、あらためてポスト安倍への思いをにじませた。(田村龍彦)
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース