7月の記録的豪雨で氾濫(はんらん)した熊本県南部の球磨(くま)川の治水対策をめぐり、蒲島郁夫知事が、支流の川辺川への治水専用ダム建設を認める方向で調整していることが11日、関係者への取材で分かった。これまでの川辺川ダム計画と異なるもので、洪水時だけ水をためる「流水型」ダムなどの施設を念頭に置いている。19日にある県議会全員協議会で考えを表明する見通し。
川辺川ダムは、1963年から3年連続で球磨川水系で大規模な水害が発生したことを受け、旧建設省が66年に計画を発表した。蒲島知事は2008年、ダムに反対する当時の住民世論を受け、九州最大級のダムとなる川辺川ダム計画について「白紙撤回し、ダムによらない治水対策を極限まで追求すべきだ」との考えを表明。翌年、民主党政権が中止した。蒲島知事のダム容認は治水方針の転換を意味する。
ダム計画の中止後、国と県、流域市町村はダム以外の治水策を協議し、流せる水量を増やす河道掘削や堤防のかさ上げなどを検討したが、実現しないまま豪雨災害が起きた。その後、県などはダムも選択肢から排除しない形で治水策を検討している。
関係者によると、中止前の川辺…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル