村上伸一
昨年7月の記録的豪雨で被災した熊本県の球磨川水系流域の12市町村長でつくる「川辺川ダム建設促進協議会」が、川辺川への流水型ダムの早期完成を求める要望書を国や県に提出したことに対し、建設に反対する流域の市民団体が30日、協議会長の森本完一・錦町長に抗議書を手渡した。
団体は「子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会」(中島康代表)と「美しい球磨川を守る市民の会」(出水晃代表)。
抗議書は、流水型ダムの早期完成の要望自体が、流域住民の意思に基づかない12市町村長の個人的な見解だと指摘。協議会が要望書の中で「流水型ダムが従来のダムに比べて環境への負荷は軽減される」と断言していることを、「専門家でもないのになぜこのようなことを言えるのか」などと強く批判している。
抗議書を受け取った森本町長は「(協議)会員に伝えておく」と答えたが、約10人の市民らが「自分の考えはないのか」などと反発し、10分ほど言い合いとなった。(村上伸一)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル