特定の民族や人種に対する差別をあおるヘイトスピーチや、ヘイトクライム(憎悪犯罪)にどう向き合い、どう乗り越えていけばいいのか。それを中高生と考える本を、東京都立大特任教授の風巻浩さん(68)と立教大大学院特任准教授で在日コリアンの金迅野(きむしんや)さん(63)がまとめた。「意見の押しつけを避け、どう考えるかを車座で語り合う本にしたかった」と2人は言う。
本は「ヘイトをのりこえる教室 ともに生きるためのレッスン」(大月書店、1870円)。この7月に出版された。
きっかけは20年近く前にさかのぼる。神奈川県立高校の教員だった風巻さんが、在日外国人と地元住民の交流施設「川崎市ふれあい館」職員だった金さんを、人権学習会の講師に招いた。
金さんは学習会でこんな話をした。
■「そこに賢一君はいるのかよ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル