新型コロナウイルスのワクチン接種に出かけられない人向けに、自治体が医師や看護師を派遣する訪問接種が広がっている。夏場からの感染爆発が収まり、自治体の集団接種の利用も一段落している中で、「ピンポイント」の対策の重要さが増している。
「はい、打ちますね」。10月中旬、東京都江東区のマンションを、区が派遣した医師や看護師が訪ねた。男の子(12)がベッドに座って待っている。注射を怖がって少し抵抗したが、父親(43)らが付き添い、ワクチン接種はあっという間に終わった。
男の子は自閉症で、区内の特別支援学校中等部に通う。父親によると、病院などの慣れない場所ではパニックになることがあり、ワクチンの集団接種に行くのもためらわれた。区が実施する家庭訪問型の巡回接種の話を学校から聞き、申し込んだという。
この日は、医師が両親に男の…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル