仕事が原因で病気やけがをした労働者を国が労災だと認定した際、事業主に不服を申し立てる権利があるかが争われている訴訟の上告審で、最高裁第一小法廷(堺徹裁判長)は3月28日付で、当事者双方の意見を聞く弁論を6月10日に開くと決めた。弁論は二審の判断を変えるのに必要な手続きで、「不服申し立ての権利がある」とした二審・東京高裁判決が見直される可能性がある。
この論点で最高裁が判断を示すのは初めて。二審判決には「労働者の立場が不安定になる」との懸念が出ていた。
労災が認定されると、労働者に賃金の一定割合や治療費などが国から支給される。労働者やその家族の申し立てを受けて労働基準監督署が調査し、認定の可否を決める。労働者側と行政の間の手続きで事業主は関与できず、認定への不服を申し立てる権利もないとされてきた。
一方、従業員が労災認定され…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル