「こんなところがあるとは知らなかった。スタッフが真剣に考えてくれ、一生懸命してくれている」。福岡市の株式会社「NiCO(ニコ)」が運営する自立準備ホームに、1カ月ほど前に入所した男性(53)はこう話す。
覚醒剤取締法違反で3回、刑務所に入った。統合失調感情障害を患う。酒を飲むと暴力的になり、今回は警察で暴れて机を蹴って壊したという。執行猶予となり、ニコに来た。
これまでは実家が帰住先だった。今回は両親が亡くなっていて帰る場所がなかった。
刑務所や少年院からの出所者・出院者も住むところがなければ、再犯する確率は高くなります。被害を生み出す再犯を防ぐため、行き場のない人たちを支えようと奮闘する各地の自立準備ホームを訪ねました。その5回目です。
ニコの準備ホームはアパート1棟をほぼ借り上げて運営する。同じアパートの1室は夜勤スタッフの宿泊用で、スタッフは夜間の見守りや話し相手、服薬の介助などをする。
男性は昼間は、障害のある人…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル