2020年度から始まる大学入学共通テストで、英語民間試験の活用が見送られた。文部科学省は今後、新しい学習指導要領で学んだ受験生らが受ける24年度をめざし、1年かけて検討する。問題点はどこにあり、議論する上で大事な視点は何なのか、識者に聞いた。
寺沢拓敬・関西学院大准教授
英語民間試験の見送りのニュースを知ったとき、この間、理の通らない政策ばかりが続いていただけに、まともな決定がされたことに、皮肉にも驚きました。
- てらさわ・たくのり
- 1982年生まれ。専門は言語社会学・応用言語学。著書は「『なんで英語やるの?』の戦後史」「『日本人と英語』の社会学」など。
ただ、きっかけになった萩生田文科相の「自分の身の丈に合わせて頑張ってもらえば」という発言が失言だったとは思いません。
民間試験の活用が経済的・地理的な格差を広げることは、研究者らが数年前から批判してきたことです。その意味で「身の丈」は的を射ています。発言で突然炎上したというより、反対の意見が浸透し、臨界点に達したと見るべきでしょう。
民間試験の制度上の問題は格差…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル