鉄道写真の愛好家「撮り鉄」には、動く電車ではなく止まった電車を隅々まで写真に収めたり、車両番号を日付に見立てたりして楽しむ人たちもいるらしい。駅のホームなどでよく見かけるカメラ片手の撮り鉄たち。その奥深い世界をのぞいてみた。(西田有里)
10月29日の朝。神戸市兵庫区の御崎公園に30~80代の男性32人が集まった。お目当ては公園内に保存展示されている「神戸市電1103号」(全長12・7メートル、幅約2・4メートル)。緑と白の車体が特徴的で、なんだかかわいらしい。
撮影会を開いたのは、鉄道友の会の阪神支部。友の会は60年以上の歴史を持ち、全国に3千人を超える会員がいる。
今回はコロナ下のため屋外撮影会。電車を所有する神戸市に掛け合い、特別に許可をもらったという。非会員ながら、私もマスク着用で特例参加させてもらった。さっそく「お使いのカメラの機種は?」「SLは好き?」と気安く話しかけてもらい、緊張が解けた。
現地での説明によれば、神戸市電1103号は、神戸市長田区の工場で製造された。1971年に市電が廃止されると広島市の広島電鉄に譲り渡され、2002年まで現役だった。引退の翌年に神戸に帰って来ると、かつて車庫があった御崎公園に展示されることになった。
まずは車両の外観写真を撮影。…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル