社会を動かそうとネットで呼びかけ、千を超える署名を集める。そんな10代が相次いでいる。地球温暖化からゲーム条例までテーマはさまざまだが、変化を起こしたいという思いは同じだ。なぜ、彼らはネット署名を選ぶのか。
「学校で地球にやさしい電力を使いたい」。神奈川県立高校2年の女子生徒(16)はこの3月、同県庁あてに、そう呼びかけるネット署名を始めた。
授業で、火力発電が地球温暖化の大きな原因だと聞いた時に、気付いた。「あ、この教室、電気もエアコンも使っているじゃん」。学校の電力は、火力発電でまかなわれていると事務室で聞いた。「地球温暖化の授業をするのに地球温暖化を進めているのは矛盾。学校が未来を壊しているなんて変だ」と感じた。
「お菓子の過剰包装をなくして」と高校生が訴えていたのを知り、ネット署名を選んだ。集めた署名は約1万4千人に上る。この夏、県庁に持っていき、要望する。「ネットなら地域を越え、想像を超える数の人々に呼びかけられる」
「ゲームは悪いものじゃない。こんな条例がつくられるなら署名を集める」。香川県の「ネット・ゲーム依存症対策条例」の素案を読んだ渉(わたる)さん(18)は、そう思った。高3だった昨年2月、「香川県のゲーム禁止条例制定を阻止しよう」と署名を呼びかけた。
条例案は、子どものゲーム時間を「平日60分、休日90分まで」と定めていた。短期間で全国から集めたいと、ネット署名を選んだ。
集まった595人の署名は県議会に出したが、条例は可決された。その後、「憲法13条が保障する幸福追求権を侵害する」などとして、県に損害賠償を求める訴訟を9月に起こした。「ネット署名は匿名でも簡単に社会に訴えられるスタート地点だった」という。
行政が動くのを促した例もある。
「教室が暑いので小中学校に…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル