新型コロナウィルスの感染拡大をうけて、不妊治療を行う人たちにも影響が出ている。
妊婦が重症化する可能性が指摘されているとして、不妊治療の”延期”が検討されているのだ。
« 不妊治療の延期 »を選択肢として…患者に提示することを推奨
大阪市西成区で不妊治療を専門にしている「オーク住吉産婦人科」。
44歳のこちらの女性は、この病院で約3年間、不妊治療を続けている。
不妊治療を受けている女性(44):
自然妊娠が0%ではないと言われてるけど、ほぼないので。できるって信じてやるしかないですよね。
『子供を授かりたい』
そんな思いを持つ人たちから今、戸惑いの声があがっている。
日本生殖医学会が4月1日に出した声明文によると、新型コロナウイルスについて、
「妊娠、特に妊娠初期の胎児に及ぼす影響は明らかになっていない」としつつ、「妊婦において重症化の可能性が指摘されている」などとして、不妊治療の延期を選択肢として患者に提示するよう推奨したのだ。
医師:
使える薬がないので、妊娠するよりも(受精卵の)凍結だけにした方がいいという話が学会から出ている。
不妊治療を受けている女性:
いつ終息するかわからない…。
医師:
下手したら1年くらいかかっちゃうからね、終息に。
不妊治療を受けている女性:
そこまで待たんとダメなんですか?
医師:
すごく患者が増えている時なので、少なくとも今は様子を見た方がいいんじゃないかと。
女性は卵子を採取し、体外受精を行ったうえで適切なタイミングで受精卵を子宮に移植する予定だったが、年齢のこともあり、移植を延期するか悩んでいるという。
医療法人オーク会 船曳美也子医師:
今から治験してやっていくと言われている薬は妊娠中は使えないものが多い。不妊治療も”時間との戦い”という面があるので、待ってしまうリスクでチャンスをなくしてしまう問題がある。
長引けば長引くほど…妊娠の確率も低下 金銭面での負担も増える
一般的に年齢が上がると妊娠する確率は下がるとされていて、時間が経つほど、チャンスは減ってしまう。
さらにこの女性は、不妊治療に毎月30万円以上支払っているが、受精卵を凍結していて、その保管期間が長引けば長引くほど、金銭面での負担も余計にのしかかる。
不妊治療を受けている女性:
受精卵を戻すのが、次いつ戻せるのかわからない。年齢も年齢なんですごい心配。自分の不安だけでもいっぱいなのに、コロナのこともあって。なんとか早く特効薬とか見つかればいいのにって思う。
新型コロナウイルスの影響で、不妊治療を受けている人たちまでもが、難しい判断を迫られている。
(関西テレビ)
関西テレビ
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