福岡市東区の筥崎宮(はこざきぐう)で3日、新年の神事「玉せせり」があった。今年は新型コロナウイルス対策のため、締め込み姿の氏子たちが木の玉を奪い合う恒例の競り合いは取りやめとなり、神事のみが厳かに執り行われた。
陰陽二つの木玉を清める「玉洗い式」も、例年のようなステージ上ではなく境内の片隅で静かに実施。その後二つの玉は約250メートル離れた玉取恵比須神社に運ばれた。本来はここから、氏子300~400人が重さ8キロの陽の玉を奪い合って筥崎宮の楼門まで運ぶが、今年は神職や氏子代表たちが玉を円筒形の箱に入れて運んだ。
玉を運んだ氏子代表の会社員戸次邦木(べっきくにき)さん(25)は、小学生の時から毎年欠かさず玉せせりに参加してきたという。「競り合いのない正月は寂しいが、神事だけでもできてほっとしている。早くコロナが収まり、次はまた例年のように開催できることを願っています」と話した。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル