林敏行
ニホンウナギの養殖に使われる稚魚「シラスウナギ」の漁が、徳島市の吉野川で最盛期を迎えている。
好条件とされる新月の大潮だった21日未明、河口から約2キロの阿波しらさぎ大橋付近には、寒風が吹き抜ける中、集魚灯をともした漁船約10隻が行き交った。たも網を手にした漁師たちは、黄や緑色に光る水面を見つめ、潮の流れで遡上(そじょう)した稚魚を探していた。
水産庁によると、海洋環境や生育環境の変化などで、シラスウナギの採捕量は全国的に減少傾向が続く。高値で取引され、「白いダイヤ」とも呼ばれる。
徳島県漁業調整課によると、今季の漁期は昨年12月15日から4月15日まで。2月中旬までの採捕量は例年よりかなり少なく、1キロ約200万円で取引されている。不漁や燃料価格の高騰で、漁に出る船の数も少ないとみられる。
採捕は、県知事の許可を受けた漁業者に限られる。県や警察などは、密漁を防ぐため許可の確認や取り締まりを強化している。(林敏行)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル