日本大学の付属病院の建て替え工事をめぐり、日大理事が大学側の資金を流出させた疑いがある背任事件で、東京地検特捜部は9日、新たに大阪市の医療法人グループの関係先を家宅捜索した。日大本部や田中英寿理事長の自宅などに入った8日に続き、2日連続の捜索となった。
医療法人グループの関係先には9日午前10時10分ごろ、特捜部の検事や事務官ら10人弱が捜索に入った。
関係者によると、日大は医学部付属板橋病院(東京都板橋区)の建て替えを計画しており、工事の設計監理を昨年、都内の設計事務所に二十数億円で発注した。特捜部はこの契約をめぐり、日大理事が大学側の約2億円の資金を不正に流出させて損害を与えたという背任容疑で捜査している。
関係先が捜索対象になった医療法人の理事長は、日大の田中理事長や田中氏側近とされる当該理事と付き合いがあり、特捜部は板橋病院工事をめぐって資金が流出する過程で医療法人側が関与した可能性があるとみている模様だ。
日大理事は、日大施設の管理・運営などを行う関連会社「日本大学事業部」の取締役で、特捜部は8日に同社も捜索している。
医療法人グループは朝日新聞の取材に「対応できない」と回答した。田中理事長は9日、報道陣の問いかけに無言だった。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル