寺田実穂子
「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」の関係者が各地の消費生活センターを訪れ、「被害相談があれば連絡してほしい」などと求めている動きについて、消費者庁の新井ゆたか長官は8日の定例会見で、「仮に組織的に行われているのであればやめていただきたい」と述べた。教団側はこれまで「(訪問は)各地で独自に行っている」との見解を示している。
新井長官は「消費生活センターは消費者からの相談を受け助言をし、場合によっては事業者の間に入って仲介あっせんを行う機関。いろいろな調整を行うが、個々の相談の段階で事業者からの要請に基づいて相談状況をお伝えすることはない」と強調。都道府県などに対してはあらためて、事業者の要請に応じて相談状況を伝えることは控えるよう2日付で通知を出したことを明らかにした。
また、教団の日本教会の田中富広会長が8月の記者会見で、消費生活センターを持ち出して「当法人に関する何らかの相談があった場合には連絡をもらうようにしていた」とした発言については、「個々の方々がいろいろ発言することについて一つひとつ訂正をお願いすることは必要ないし、私たちは業務を全うしたい」と述べ、教団に訂正などの対応を求める考えはないことを明らかにした。
「黙っていることは発言を許容することになるのではないか」と記者に問われると、「いまお話しの消費生活センターが個々の事案について情報を提供することはないということは明言することはできる」と語った。(寺田実穂子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル