大阪大と国立がん研究センターなどの研究チームは、早期の大腸がんで増える細菌を発見したと発表した。大腸がんは、日本人に最も多いがんで、年に15万人以上が診断される。細菌はこの発症に関連するとみられ、便でごく早期の大腸がんがわかる新技術につながると期待されている。
成果は7日、米科学誌ネイチャー・メディシンに掲載された。
人の腸内には約1千種類、40兆個の細菌がいる。様々な細菌が腸内で作る群れは「腸内細菌叢(そう)(腸内フローラ)」と呼ばれて近年、病気との関連が明らかになってきている。
チームは、国立がん研究センター中央病院で、大腸内視鏡検査を受けた20~90代の男女616人の便のDNAを網羅的に解析し、フローラの細菌を調べた。すると、内視鏡で切除できるポリープや粘膜内にとどまる早期のがんがある人の腸内フローラで、特定の2種類の細菌の割合が、健康な人の2~3倍あった。2種類は、アトポビウム・パルブルムとアクチノマイセス・オドントリティカス。口の中に多く存在するもので、早期がんに多い細菌の発見は初という。便に含まれるアミノ酸や胆汁酸などの代謝物も、早期がんの人とそうでない人で違いがみられた。
ポリープや粘膜内にとどまるス…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル