政府は12日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の解散命令を東京地裁に請求することを決めた。日本の教団にとっては1959年の設立以来、最大の危機に立たされた。歴史的な1日となったこの日、東京都渋谷区にある教団本部周辺で取材をした。
午前7時。
まだ本部内には人影がほとんど見えない。通勤・通学の人たちが行き交う。
しばらくすると、50代の会社員が足を止め、スマホで建物を撮影し始めた。
記者が声をかけ、午後にも政府が解散命令請求を表明する方針だと伝えると、「これが(旧)統一教会の建物かと思って来たんですけど、今日解散命令請求が決まるんですか」と驚いた様子だった。
解散命令請求に賛否の意見はないというが、結果的に請求に向けた流れのきっかけが安倍晋三元首相の銃撃事件だったことが気になるという。
「教団がやっていたことは事件前も事件後も同じだったじゃないですか。身勝手な事件をきっかけに、世の中が動くのがおそろしいと思う」
姿を現した教団の前会長 声をかけると
午前8時45分。
銃撃事件以降、報道機関との窓口役になっていた教団の広報担当者が自転車で通勤してきた。解散命令請求の受け止めを聞くと、「信者の方の生活に不都合がたくさん生まれてくる。少しでも改善できるような広報をしていきたい」と語り、本部に隣接する建物に入っていった。
直後、教団の前会長である徳野英治氏が本部前に姿を現した。徳野氏は2009年に教団信者が社長を務めていた会社が霊感商法で摘発されたことをきっかけに辞任した人物だ。
「今のお気持ちを聞かせてほ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル