英国にあるワインソムリエの認定機関から、史上最年少かつ、日本人で初めて最高の資格を手にした男性が、北海道余市町の地域おこし協力隊員になった。偉業に満足せず、新たな夢へ歩み始めている。
余市町の丘に広がるブドウ畑。5月下旬、原料からワインを一貫生産する「ドメーヌ」の畑では、今年のブドウ作りに向けた準備が進んでいた。「毎日、草刈り。日焼けしました」。高松亨さん(26)が笑った。
英国にある「Court of Master Sommeliers」(CMS)の最高ランクにあたる「マスターソムリエ」(MS)だ。だが、ワイン作りに一から関わるのも、農作業も初めて。日焼け顔は興奮で紅潮しているからのようにも見えた。
豪州のシドニーで生まれ育った。シドニーでコーヒーのバリスタとして働いていた20歳の時にフランス産ワインを飲み、その魅力に気づいた。「食べて飲むことが好きだし、味覚には自信があります。一から始める覚悟でソムリエを目指しました」
それからトントン拍子で階段を駆け上った。
21歳でCMSの最初のソム…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル