国の承認を受けていない新型コロナウイルスの抗原検査キットについて、感染の有無を診断できると宣伝して販売したなどとして、京都府警は28日、京都市中京区の衛生用品通信販売会社「コギト」の役員ら2人を医薬品医療機器法違反(無許可販売、未承認医薬品の広告禁止)の疑いで逮捕し、発表した。府警によると、未承認の抗原検査キットの販売をめぐる逮捕は全国初という。
逮捕されたのは、コギト取締役井筒雅俊(39)=香川県観音寺市=、社員稲村知香(30)=東京都小金井市=の両容疑者。調べに対し、井筒容疑者は「正常な市場に戻したいという気持ちから販売した」、稲村容疑者は「コロナ禍で必要な商品だと思った。会社の利益を上げるために広告内容を考え、販売した」などと供述しているという。
福知山署によると、2人は昨年12月~今年3月、同社の通販サイトで、厚生労働相の承認を受けていないキットについて「感染の有無が判定できる」などと宣伝。許可を得ないまま、京都市の女性(22)ら5人に、計7個を計3万360円で販売した疑いがある。
府警が業者に委託して調べたところ、ウイルスの検出精度は、承認品の264分の1程度にとどまっていたという。押収資料などから、府警は、同社が約2300個を販売し、1千万円超を売り上げたとみている。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル