今年5月に本土復帰から50年となる沖縄では4日朝、玉城デニー知事が県庁で年頭のあいさつに立ち、過重な米軍基地負担の軽減や、新型コロナウイルスで疲弊した観光業の再興へ意気込みを語った。
玉城知事は、新型コロナの感染状況が改善されつつあった中、米軍基地に起因するとみられる変異株「オミクロン株」の市中感染が年末年始から拡大していることに言及。全国の在日米軍専用施設の約70%が集中する沖縄で、米軍関係の事件や事故、環境汚染などが後を絶たない現状にも触れ、「大きな節目を迎える年。過重な基地負担の軽減を政府に求めていくとともに、基地から派生する諸問題の解決に全力で取り組んでいく」と語った。
また全国最悪レベルの新型コロナの感染状況が続いた沖縄では2020年度、観光客数は前年度から約73%減少し、日本に復帰した1972年以降で最大の減少幅となった。玉城知事は、悪化した雇用情勢などの再建に取り組む意思を示し、全国で最も深刻とされる「子どもの貧困」問題の解消についても「生まれ育った環境に左右されることなく夢や希望を持って成長していける社会の実現を目指す」と述べた。
沖縄では昨年12月中旬、米軍基地内で大規模なクラスター(感染者集団)が発生し、今月3日までに、米軍基地9基地で計832人の感染が確認されている。日本人基地従業員から最初に確認されたオミクロン株の感染も計88人に広がり、3日に確認された新型コロナの感染者数は130人と再び全国で最悪の状況となっている。(国吉美香)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル