東京電力福島第1原発事故の影響で福島県大熊町の工場が操業できなくなったとして、東京の農薬メーカー「アグロカネショウ」が29日、東電に30億8000万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に提起した。
訴状によると、平成23年の原発事故がなければ、24年以降にアグロ社が得られた「逸失利益」の算出方法について、東電側は事故前の利益から事故後の利益を差し引いた額としているが、アグロ社は事故後、福島工場の生産分を迅速に他社に委託するなどして損害を最小限に抑えたと主張。東電側の算出方法では「早期復旧に向けて努力した者ほど不利益に扱われ、不公平だ」と訴えている。
アグロ社はこれまでに、生産委託をするまでの間に生じた逸失利益を求める訴訟を提起し、東電に約3400万円の支払いを命じた東京高裁判決が確定。工場の地価の賠償を求める訴訟も起こし、東電が和解金を支払うことなどで和解が成立した。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース