原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査が進む北海道寿都町で、町議会が全員協議会(全協)の議事録などを非開示としたのは違法だとして、町民が町に開示を求めた行政訴訟の判決が29日、函館地裁であった。進藤壮一郎裁判長は「町民の知る権利の保障を十全なものとするという条例の趣旨が没却される」として、町の非開示決定を取り消した。
原告は、文献調査に反対する住民団体「子どもたちに核のゴミのない寿都を!町民の会」メンバーの神貢一さん(68)と槌谷和幸さん(73)。
判決によると、2人はそれぞれ2020年9月と11月、町情報公開条例に基づき、文献調査への応募について話し合った全協の議事録などの開示を求めた。片岡春雄町長が「町民に伺いを立てて勉強会をするといったらかえって面倒な話になる」と発言した同年8月の議事録も含まれていた。町議会はいずれも「非開示」とした。
町側は「全協には地方自治法上の会議公開の原則は適用されない」「傍聴を認めないと採決した全協には、その議事録についても非公開とする(議員間の)『取り決め』がある」などと主張していた。
判決は、全協の取り決めはあくまで、傍聴を認めないと合意形成されたにとどまり、議事録は条例の非開示規定に当たらないと指摘。「非開示決定はいずれも条例に反し、取り消すべきだ」と結論づけた。
一方、原告が議事録の開示を求めていたことに対しては、判決は「開示が認められるかは文書に含まれる個別具体的な情報に即して判断されるべきだ」として、請求を退けた。
判決を受け、町は「判決文を…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル