桜の開花が14日に東京でも発表された。1週間ほどで満開となる見込みだが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、花見スポットの「封鎖」や催し中止も相次ぐ。華やいだ気分には遠い春となりそうだ。
東京都立井の頭公園(三鷹市、武蔵野市)では12日から約8400平方メートルに及ぶ立ち入り禁止区域が設けられた。桜の木が多い野外ステージや広場周辺などが、オレンジ色のネットフェンスで囲われ、井の頭池沿いのベンチなども座れなくなっている。花見期間の4月11日までとしている。
15日昼、ピザを手に発泡酒を飲んでいた三鷹市の夫婦は「今年は仕方ないですね」とあきらめ顔。会社員の夫(49)は「規制ばかりだと逃げ場がほしくなる。きょうは天気がよかったので、花見客で混む前に来ようと」と話した。
売店の女性によると、コロナ禍以降、園内の人出は増えたという。今年1月に緊急事態宣言が出てからは、飲食店の閉まる午後8時を過ぎると、缶ビールなどを飲みながら騒ぐ姿も目立つ。桜はまだつぼみだが、「この週末くらいから咲きそう。夜の花見が心配です」。
都西部公園緑地事務所は15日、宴会行為やシートを広げての飲食の禁止を呼びかける立て看板などを設置した。夜の花見対策として20日から、警備員による巡回も始めるという。
都は宣言の再延長が発表された5日、井の頭のほか、都内有数の花見スポットである上野公園(台東区)や、代々木公園(渋谷区)でも一部エリアの立ち入り制限を発表。その後、人出が多いことを理由として、芝(港区)、林試の森(目黒区、品川区)、蘆花恒春(ろかこうしゅん)園(世田谷区)の都立公園も追加した。いずれも歩いて花を見ることはできるが、マスクの着用や混雑時を避けることを求めている。3月いっぱいは同様の措置を続けるという。
「昨年以上の自粛をお願いしたい」
花見の自粛要請や、催しの中止も相次ぐ。
目黒区の目黒川沿いには約80…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル