横浜市の認可保育園が、実際に勤務していない系列園の保育士5人が働いているように見せかけて、市の給付費を不正に受け取っていた。市への取材でわかった。他の事例も合わせると昨年度の不正受給額は1700万円ほどに上り、市は返還を求めるという。
問題があったのは、相模原市の社会福祉法人「みらい」が運営する「駒岡げんきっず保育園」(横浜市鶴見区)。
市によると、保育園は昨年4月に開園した。今年2月、市に情報提供があり、4月に調査をした。その結果、みらいが運営する別の保育園に勤める5人の保育士の名前を書類に記し、給付費を不正に受け取っていたことがわかったという。
また、駒岡げんきっず保育園では保育士の配置基準を満たさない日もあったとみられ、保護者から苦情も寄せられているという。市の調査に対し、みらい側は「急な退職があり、埋められなかった」と説明。市は10月に改善を指導し、11月末までに改善状況を報告するよう求めた。
市は昨年10月に園を監査したが、このときは不正を見つけられなかった。市の担当者は「不正に受け取った分はしっかりと返還を求めたい。保育についても、鶴見区と連携し、助言や指導をしている。監査で見抜けなかったことは今後の課題」と話した。
みらいは取材に対し、「現段階では答えられないが、時期が来れば説明したい」と話した。(仲村和代)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル