次期衆院選に向け、茨城県内の7選挙区には計14人が立候補を準備している。平成29年の衆院選では、自民党が茨城1~6区を制し、敗れた7区の候補も比例復活当選で議席を得た。挽回を期す野党側が過半数の議席を獲得できるかが焦点になりそうだ。
■4選挙区で「対決」固まる
7選挙区のうち、現時点で与党と主要野党陣営の対決構図が固まっているのは1区、5区、6区、7区の4選挙区だ。
1区では、自民党現職の田所嘉徳氏(65)に、旧民進党出身で無所属元職の福島伸享氏(49)が挑む。福島氏は正式な出馬表明は行っていないが、関係者の間では、野党統一候補とする方向は「ほぼ既定路線」(立憲民主党県連幹部)とされている。
5区と6区は、29年に選挙区を制した自民党現職と比例復活した野党現職が争う構図だ。5区では自民党の石川昭政氏(47)と国民民主党の浅野哲氏(37)、6区では自民党の国光文乃氏(40)と国民民主党の青山大人氏(40)が激突する。
5区は日立グループ労組の「本丸」ともいえる選挙区だ。かつて大畠章宏元国土交通相が6回連続当選した金城湯池だが、29年衆院選では大畠氏の後継候補の浅野氏が敗れた。日立グループ労組は、民間労組としてはトヨタ労組と並ぶ集票力を誇る組織として知られ、次期衆院選での議席奪還の可否は全国的にも注目を集めそうだ。
7区では、野党系では29年衆院選で唯一選挙区を制した無所属現職の中村喜四郎氏(70)に、比例復活した自民党現職の永岡桂子氏(66)が挑む。
■「まともに戦えば、手が届く」
29年衆院選の1区、5区、6区で敗れた福島、浅野、青山各氏は、当時いずれも旧希望の党公認で出馬しており、党への逆風が災いして苦戦を強いられた。その窮状の中でも3氏は比較的高い惜敗率を記録し、青山氏は94・33%、浅野氏は91・29%、落選した福島氏も82・12%まで詰めた。
連合茨城関係者は「まともに戦えば3氏は選挙区勝利に手が届く。7区の中村氏と合わせて『選挙区4勝』は決して無理な目標ではない」と読む。
■一本化は「阿吽の呼吸」?
一方、2~4区では野党側が出遅れており、昨年末になって公認予定者の決定が相次いだ。
立憲民主党は12月、2区で元職の藤田幸久氏(69)、3区で新人の元常総市長、高杉徹氏(66)をそれぞれ総支部長に選任した。国民民主党は11月に新人の元県議、梶岡博樹氏(42)の3区への擁立を内定した。自民党は2区で額賀福志郎氏(75)、3区で葉梨康弘氏(60)、4区で梶山弘志氏(64)の各現職を立てる。
今後、立憲民主、国民民主両党間で、公認予定者が競合している3区を中心に候補者調整の協議が本格化する見通しだ。
29年衆院選で全7区に候補を立てた共産党の動向も戦況を左右する。
立憲民主党や国民民主党にとっては、共産党が擁立を見送ることで政権批判票の分散を避けたいのが本音だ。野党関係者の間では、現時点で野党空白区となっている4区で共産党系を統一候補に据え、残る6選挙区では「阿吽(あうん)の呼吸」で一本化に持ち込む構想も取り沙汰されている。(松本学)
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