北海道斜里町の知床半島沖で乗客・乗員26人が乗った観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が行方不明になった事故から、30日で1週間が経った。未曽有の事故現場を歩き続けた記者が見て、感じたことを伝える。(佐野楓)
札幌から400キロの現場へ
「今夜、知床半島に行ってほしい」
北海道報道センターから記者に連絡が入ったのは23日午後7時ごろ。この時点では、カズワンが行方不明に至った経緯や乗客の安否は分かっていなかった。午後10時過ぎ、他の記者らと会社の車に分乗し、札幌から約400キロ離れた斜里町ウトロを目指した。
「明日になればきっと無事に見つかる」と信じていた。ただ、夜通しの捜索で一向に乗客が見つからないことや、未知の場所での取材への不安が募り、一睡もできなかった。
事故を起こした船を運航して…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル