ふるさと納税制度から除外した総務省の決定は違法だとして、大阪府泉佐野市が決定取り消しを求めた訴訟の上告審弁論が2日、最高裁第3小法廷(宮崎裕子裁判長)で開かれた。泉佐野市側は「除外は裁量の乱用だ」と主張。国側は市側の上告棄却を求め、結審した。判決は6月30日に言い渡される。
高裁の結論変更に必要な弁論が開かれたことで、除外に違法性はないとして国側勝訴とした今年1月の大阪高裁判決が見直される可能性がある。
高裁判決などによると、泉佐野市は地場産品以外の返礼品に加えアマゾンのギフト券を贈る手法で寄付を募り、平成30年度に全国の寄付総額の約1割にあたる約497億円を集めた。総務省は昨年6月の改正地方税法施行に伴い「返礼品は寄付額の3割以下」などの基準を設定した新制度をスタート。法改正前に高額な返礼品で多額の寄付を集めた泉佐野市など4市町の参加を認めなかった。
市側の代理人はこの日の弁論で、「過去の募集態様を理由に制度から排除するのは違法だ」と主張。千代松大耕(ひろやす)市長も出廷し「本市はあくまでも法的規制の中でできることをしてきた。突如としてルールを変え、本市を狙い撃ちにしたような措置だ」と述べた。
国側は、制度の趣旨に反した募集を過去に行った自治体を他の自治体と同列に扱わないことは、制度の適切な運用を確保するための裁量判断として「極めて合理的だ」と指摘。市が改正法公布後も過度な返礼品を用いた募集を改めなかったとし、除外は「至極妥当な結論だ」と訴えた。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の解除後、最高裁が開廷するのは初めて。裁判官や当事者らがマスク姿で出席した。
【関連記事】
Source : 国内 – Yahoo!ニュース