「仏教美術の至宝」と呼ばれ、1949年の火災で焼損した奈良・法隆寺の金堂壁画(国重要文化財)が、3日から境内の収蔵庫で限定公開される。2日に報道機関向けの内覧会が開かれた。
壁画は7世紀後半~8世紀前半に金堂の外陣の12面に描かれ、如来(にょらい)や菩薩(ぼさつ)の仏の世界が表現される。49年1月26日に焼損したが、現存する国内最古の仏教絵画とされる。
法隆寺は2015年に文化庁と朝日新聞社の協力で壁画の保存活用委員会を設置し、一般公開に向けた調査研究を進めてきた。今年5月には委員会から8年間の検討結果をまとめた提言が提出され、1952年に建てられた現在の収蔵庫を改修して公開を目指す方向性が示された。
限定公開は3回目。調査研究費などを募るクラウドファンディング(CF)で寄付をした人が対象。法隆寺の古谷正覚(しょうかく)管長は「金堂壁画の実物がこうした形で残っていることを多くの人に知っていただき、ご協力を得て次世代に引き継ぎたい」と話した。
14日まで(8日を除く)。CFは1口1万円からで、返礼として壁画の見学枠(1口につき1人)と、同寺の参拝券1枚が贈られる。1日最大80人。申し込みは募集サイト(https://readyfor.jp/projects/horyujikondo2023)。(今井邦彦)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル