東京都内の新築建物に太陽光発電パネルの設置を原則義務づける案をめぐり、建築主側の負担を減らす策が検討されている。脱炭素化を大きく進めたい都は、戸建て住宅を含む全国初の仕組みを導入したい考えだが、都内の住宅価格はただでさえ高値。住宅需要を冷え込ませず、強い温暖化対策に踏み込めるか。(笠原真)
「納得と理解を」慎重さ求める声
「住宅購入者の意向により(太陽光パネルを)多く設置したり、設置しないことができる仕組みとする」。6月の都議会で小池百合子知事はそう答弁し、建築主側に過度な負担をかけない制度とする考えを示した。都議から「都民に選択の余地を残すなど納得と理解を得るべきだ」などと慎重な議論を求める意見が相次いでいた。
案は、環境や建築が専門の研究者らでつくる都の環境審議会が5月に示した。「脱炭素社会」へパネル設置義務化が必要とする都の方針を受けて具体化したもので、都はこの案をもとに、秋以降、条例改正案を都議会に提出する構えだ。
審議会の案を分かりやすくいえば、①ビルやマンションの大きな建物は建築主に、②一般の住宅はメーカーに、それぞれパネル設置を義務づける内容。対象者を具体的に示すと、①延べ床面積2千平方メートル以上の新築建物の建築主、②年間の供給建物が計2万平方メートル以上の大手メーカーで、都は②を約50社と見込んでいる。
日照に恵まれない場所もある…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル