海上自衛隊の護衛艦「いずも」と米原子力空母「ロナルド・レーガン」が10日から南シナ海で共同訓練を行っていることが分かった。日米を代表する艦船が艦隊行動を共にすることで、海洋進出を強める中国への抑止力を誇示する狙いがある。複数の政府関係者が11日、明らかにした。
海自と米空母が南シナ海で共同訓練を行うのは昨年8月以来。海自からはいずものほか、護衛艦「むらさめ」と「あけぼの」が参加し、「ロナルド・レーガン」と艦隊を組んだ上で戦術運動の確認などを行った。
海自は4月末から「インド太平洋方面派遣訓練」として、いずもとむらさめを南シナ海やインド洋に長期派遣している。シンガポールやマレーシアなどの沿岸国に寄港して各国海軍との連携を深めたほか、日米印比や日仏豪米などの多国間訓練を重ねて存在感を示している。あけぼのは今月から追加派遣された。
いずもは海自最大の護衛艦で、政府は同型の「かが」と合わせて事実上の空母に改修し、垂直着陸と短距離離陸が可能な最新鋭ステルス戦闘機F35Bと一体運用する方針だ。
南シナ海は日本を含む各国にとって重要な海上交通路(シーレーン)だが、中国は「核心的利益」と位置づけ、国際法に反する形で人工島の軍事拠点化を進めている。政府は軍事力の象徴とされる米空母といずもの共同訓練が、中国への強い牽制(けんせい)になると判断している。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース