受刑者の口の中に消毒スプレーを噴霧したとして、加古川刑務所の男性看守(26)が特別公務員暴行陵虐容疑で送検された事件で、被害者の30代男性が25日、神戸市内で会見を開いた。この看守からは他にも暴行や暴言を受けており、他の受刑者も被害に遭っていたと訴えた。
看守は昨年5月、刑務所内で男性に「口を開けろ」と指示しエタノールが主成分の手指消毒用スプレーを噴霧した疑いで今月8日に送検。被害者の男性は昨年8月、仮釈放された。
男性によると、収容中の21年9月ごろ~昨年春ごろ、この看守から、工場で作業中に裁縫道具で背中や腕を刺され血が出たり、食堂で体が飛ぶほど蹴られたりしたという。腰には今もコルセットを巻いており、スプレー噴霧後は味覚障害が残っているという。「死ね」などの暴言も「ほぼ毎日」あったと述べた。
この看守は他の受刑者に対しても暴言などを加え、他の看守は見て見ぬふりだったという。
男性は「犯罪をしてしまったのは自分だが、刑務所で更生どころか後遺症が残った。刑務所には、指導や言葉遣いを変えてほしい」と訴えた。(黒田早織)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル