前田基行
温泉大国・群馬ならではの「ぐんま温泉かるた」を作ろうと、県内のNPO法人が取り組んでいる。遊びながら県内各地にある温泉地の魅力を知ってもらおうという狙いだ。23日までインターネットのクラウドファンディングで制作費への支援を募っている。
かるた作りを進めているのは、NPO法人「湯治乃邑(くに)」(事務局・高崎市)。温泉ライターで代表理事を務める小暮淳さん(64)=前橋市=が、NPOを設立した2015年から構想を練っていた。新型コロナの影響でイベント開催が難しくなったことを機に、「だったらかるたを仕上げよう」と一気に進んだ。
かるたは縦7・3センチ、横5・2センチで、読み札と絵札が「い」から「す」までの44組。読み札の句はすでに完成している。「磯部は温泉記号 発祥の地」や、「謙信の吉夢が告げた 猿ケ京」、「スポーツ合宿 尾瀬・片品温泉郷」、「三大美人湯 川中温泉」など内容は多彩だ。温泉地の特徴や由来を分かりやすく伝えようと、小暮さんが中心になって考案した。
知る人ぞ知るかるた県
ただ、印刷代や絵札制作の費用がかさむため、4月からクラウドファンディングを始めた。目標額200万円に対し、1日現在、支援額は約10万円となっている。期限までに到達しなかった場合も制作は続け、10月ごろの完成をめざす。
現在、温泉文化をユネスコの無形文化遺産に登録しようという運動が、群馬県から全国に広がっている。一方で群馬には、「上毛かるた」など地域ゆかりの人物や歴史、風土を詠んだ「郷土かるた」が各地にある。
小暮さんは「群馬は全国屈指の『温泉県』であり、『かるた県』なのに、温泉かるたがないのを残念に思っていた。温泉かるたで県内の温泉地を元気づけ、ユネスコ登録の機運も後押ししたい」と話している。
詳細はクラウドファンディングのサイト「キャンプファイヤー」で確認できる。(前田基行)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル