災害弱者の避難を支えるために避難方法などを決めておく「個別計画」。地域のつながりが希薄な都市部で特に課題になっているのが、支援者を決められないことだ。地域社会や介護支援専門員(ケアマネジャー)の力で、計画作りから実際の支援までカバーしている自治体もある。
約57万人の人口を抱える東京都杉並区。区では、作成が義務づけられた避難行動要支援者名簿とは別に、自力での避難に不安を持つ住民を希望制で登録する「地域のたすけあいネットワーク」を展開している。
要支援者名簿は個人情報保護の観点から、災害が起きる前に警察や消防、地域社会に提供するのが難しい。そのため、ネットワークの登録者台帳を関係機関と共有している。
杉並区がこの事業を始めたのは2000年度。19年度時点で、要支援者名簿の掲載者3万601人のうち、9827人がネットワークに登録している。
登録者の自宅を地域の民生児童委員が訪ね、国の個別計画にあたる「個別避難支援プラン」を作る。A4サイズの用紙に記入するのは、希望する避難所やケアマネジャーらの連絡先、必要な薬などだ。
ネットワーク登録者のうち、約8割にあたる8024人は個別プランを作成済みだ。だが、区の担当者は「避難支援者はほぼ空欄です」と明かす。「支援者は決めたいが、地域の関わりが薄い都市部では難しい」と話す。
プランはあるのに支援者が決ま…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル