文・杉浦達朗、写真・小玉重隆
「そっくりだね」。カメラに写る「無限」に広がるかのような和風の空間。もちろん、舞台で三味線を弾く女性は例の鬼ではない。
初めて来たのに、強烈な既視感に襲われた。広々とした吹き抜け。薄暗い空間に浮かびあがるように照らされた舞台で、和服の女性が三味線を奏でていた。そこを囲むように、行灯(あんどん)のともる階段や回廊が走る。壮大な和風建築と静謐(せいひつ)の中に響く音は、どこか妖しささえ感じる。
福島県会津若松市の旅館「大川荘」。既視感の正体は、人気漫画・アニメ「鬼滅の刃」だ。登場する鬼たちの首領の居城・無限城には、その名のとおり、無限に続くような階段があり、中央の間には琵琶を奏でる女の鬼が鎮座する。神奈川県から訪れた小学4年山下枇晄(ひかり)さん(9)は「そっくり。物語の中に入ったみたい」。
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ロビーができたのは1989…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル