熊本市教育委員会は23日、7事案で教職員計25人を懲戒処分などにし、発表した。このうち2019年に中学1年の男子生徒が自死した問題の関係では、生徒が小学6年時の校長ら16人が懲戒処分などとなった。
男子生徒が自死した問題では、調査委員会が小学6年時の担任教諭の不適切な指導と自死との関連を認め、市教委はこの教諭をすでに懲戒免職としている。
市教委によると、この問題の関係者では今回、計26人が懲戒処分や措置の対象となり、退職者を除く16人が懲戒処分などとされた。
小学校の当時の校長(62)は、生徒が「死」などと書いていたノートについて報告を受けたが保護者に伝えなかったなどとして減給10分の1(2カ月)。当時の教頭(50)は、自死後もこのノートについて市教委に報告しなかったなどとして、より重い停職14日となった。
また、繰り返されていた担任教諭の体罰や暴言の未然防止や、自死後も含めた適切な対応がされていなかったなどとして、市教委の関係者ら7人を戒告。遠藤洋路教育長(すでに3カ月の減給が決定)ら6人を訓告、当時の学校管理職1人を厳重注意とした。
遠藤教育長は「反省と教訓を踏まえて二度とこうしたことが起きないように今後の対応をしっかり考え、よりよい学校、教育委員会づくりに全力を尽くしたい」と、改めて謝罪した。外部の有識者を交えた協議を行うなどして、再発防止のための新たな体制づくりをしたいと考えを述べた。 亡くなった男子生徒の母親は取材に、処分について「校長と教頭の処分は軽いなと思う。特に、校長の責任は相当重いはずなのに教頭よりも処分が軽いのは驚きだ」と話した。また、今後の対応については「教育現場で体罰だけでなく、暴力が伴わない不適切な言動についても、しっかり問題と認識して対応していってほしい」と訴えた。
女子児童盗撮など 7人処分
男子生徒の自死の問題以外では、計7人が懲戒処分となった。
勤務する小学校の更衣室などで女子児童を盗撮したとされる小学校の男性教諭(26)は懲戒免職となった。スリルを味わったり、性的な欲求を満たしたりするためだったと話しているという。保存されていた盗撮のデータを消去させ、市教委に対してデータはなかったと虚偽の報告をしたとして、校長(55)は停職6カ月。
市体罰等審議会で、女子児童の脇腹をつつくなど児童を不快にさせる性的な行動など計5件が暴言等と認定された小学校の男性教諭(40)は停職1カ月。教頭は厳重注意。そのほか、同審議会で体罰などが認定された、小中学校の教諭計4人も戒告や減給となり、うち1件で校長が厳重注意となった。(堀越理菜)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル