メチル水銀で汚染された魚を食べていたのに、水俣病被害者救済法(特措法)で救済されなかったのは不当だとして、国や原因企業などと争う「ノーモア・ミナマタ2次訴訟」の熊本訴訟の原告が4日、全員の請求を棄却した一審・熊本地裁の判決を不服として福岡高裁に控訴した。
控訴したのは熊本・鹿児島両県などの原告144人のうち143人。
3月22日の判決では、原告側が主張した民間医師による診断書だけでは信用できず、公的な検診記録での症状の確認が必要とした。また、特措法対象地域外の21人を含む25人を水俣病と認めたが、賠償請求権が消滅しているとした。
園田昭人弁護団長は「診断した医師名さえ明らかにしない公的検診を評価するなど明らかに誤った判決。控訴審で不当性を主張する」と話した。
同種の訴訟は全国4地裁で起こされ、昨年9月、初の判断が出た大阪地裁では原告128人全員を水俣病と認めて賠償を命じた。新潟地裁では今月18日に判決が出る予定。(今村建二)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル