藤原伸雄
大雨による大規模な土石流に襲われた静岡県熱海市伊豆山で11日、住民らを励まそうと貼り紙を持って地域を歩く少年の姿があった。
「伊豆山のみなさま 土砂崩れで大変ですけど 頑張ってください」「お手伝いします」。緑や青のペンで彩ったメッセージを書いたのは横浜市に住む高橋陽大(ひなた)くん(9)。捜索活動が続き、立ち入りが規制された現場の外側にある公共施設などに貼っていった。
陽大くんの父一美さんは、伊豆山の国道135号沿いで祖父の代から青果店や弁当店を営み、家族と離れて暮らしていた。父も店舗もかろうじて無事だったが、営業再開のめどは立っていないという。
父から被災状況を聞いた陽大くん。「自分に何かできることはないか」。励ましのメッセージを地区の人たちに伝えようと考え、母と駆けつけた。
復旧のメドはたたないが、陽大くんは「優しい気持ちを忘れずに、みんな元気でいてほしい」と話している。(藤原伸雄)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル