野口駿 仁村秀一
詐欺で得た約9千万円を暗号資産に換金し、海外の取扱業者に送り「資金洗浄(マネーロンダリング)」したとして、埼玉、京都、福岡などの9府県警は22日、男女5人を組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等隠匿)の容疑で再逮捕した。捜査関係者への取材でわかった。マネーロンダリングの流れは、警察庁が昨年4月に新設した「サイバー特別捜査隊」が最新技術を活用して解明したという。
捜査関係者によると、逮捕されたのは宮城、滋賀、京都、福岡、熊本の5府県の20~40代の男女5人。5人は別の人物と共謀し、2021年8月~22年1月ごろの間に複数回、詐欺行為で得た犯罪収益を国内で暗号資産に換え、海外の取扱業者の口座に送って隠した疑いがある。9府県警は今後、サイバー特別捜査隊と連携し、暗号資産の行方を解明する方針。
捜査関係者によると、暗号資産に交換された現金は、詐欺事件の被害金の可能性が高いという。警察は5人の上位に指南役がいるとみて調べている。
警察は7月、フリーマーケットアプリ「メルカリ」と「ヤフオク!」のアカウントを持つ人をウェブ上の「闇バイト」で募ってメルカリの約150のアカウントなどを悪用して架空の取引を繰り返し、出品者に支払う代金を運営者に立て替えさせて詐取し、他人名義の多数のクレジットカード情報で商品を買って転売したなどとして5人を電子計算機使用詐欺容疑で逮捕。被害総額は計約1億800万円に上るとみている。(野口駿、仁村秀一)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル