東海テレビ
去年7月、愛知県東浦町の障害者施設で、入所者を殴り大ケガをさせたとして元職員が逮捕された事件について、空手の有段者でもあった元職員が逮捕前、知人で空手の師匠に送った手紙を入手しました。 手紙で元職員は入所者への暴行を認めると共に、後悔の念を綴っていました。 <水野有幸容疑者からの手紙>
「突然、このような手紙で申し訳ありませんが、今回私、水野有幸が犯したことをご報告いたします」 A4サイズ2枚の手紙。差し出し人は、東浦町の障害者施設で入所者に暴行を加え大ケガをさせたとして逮捕された、元職員の水野有幸容疑者(45)です。 <水野有幸容疑者からの手紙>
「私は仕事中に入居利用者様に対し暴力行為を行い、そのことで令和2年11月9日月曜日より、殺人未遂の容疑で愛知県警半田署において毎日取り調べを受けております」 空手の大会で蹴りを繰り出す水野容疑者。小学生で空手を始め、その腕前は四段と、今も大会に出場する現役選手です。地元・東浦町では、子供向けの空手教室も開いていました。 事件があった「なないろの家」。警察などによりますと、当時被害男性(当時54)を含めて障害のある4人が入所していました。 水野容疑者は1人で当直をしている際に、被害男性の部屋で犯行に及んだとみられています。そして翌朝、男性は病院に運ばれましたが、3か月後に死亡。暴行との因果関係は今も分かっていません。 水野容疑者の空手の師匠:
「暴行を起こしましたので、警察の事情聴取を受けていますと」 こう話すのは、逮捕のおよそ3週間前に水野容疑者から手紙を受け取った空手の師匠です。 <水野有幸容疑者からの手紙>
「暴力行為を行ったことは事実であるため、空手を行うこと、まして指導する資格はありません。今は全てにおいて後悔しかありませんが、ご迷惑をおかけしたことは何度お詫びをしても済むことではありませんが、この度は本当に申し訳ありませんでした」 手紙で空手の関係者へ謝罪する一方、被害者や遺族への言葉はありませんでした。 空手の師匠:
「熱くなるとガーッといくことがあるから、そこは俺が注意した。『お前、熱くなるなよ、丁寧に教えろよ』って」 指導が思うように伝わらないと、大声をあげ注意することもあったという水野容疑者。 <水野容疑者の供述>
「男性が言うことを聞かなかったので、日頃のストレスがあり、イライラして素足で2回蹴った」 逮捕後もこう供述し、容疑を認めているといいます。 空手の師匠:
「人間は急所がある。空手家はどこが急所か分かる。(空手家の蹴りは)凶器だから。(Q.空手4段の人が蹴りのツキを無防備な人にすると?)死にますよ」 関係者によりますと、男性(当時54)は事件の前、2018年12月にも腸に穴が開くケガをしていて、施設が職員に注意喚起をしていました。 水野容疑者が空手有段者でもあることなどからも、腹を蹴る危険性を認識しながら犯行に及んだ可能性があるとみられています。 被害者を知る人は…。 近所の住民:
「すごく可愛がってた、お母さんが。(母親が)『東浦の施設に預けておけば安心だわ』って言ってみえた。待遇は絶対いいはずだと、親はそう思ってみえたと思う。そんなのが障害者に、弱者にやったらあかんやん。死ぬじゃん」 無抵抗の障害者への暴力。この施設では、ほかに少なくとも3人の入所者が、死亡やケガをする事案が起きているといいます。 水野容疑者は複数の入所者への暴行もほのめかしていて、警察は虐待を繰り返していた可能性があるとみて捜査しています。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース