福島県南相馬市は7日、7月29~31日に開かれた国指定の重要無形民俗文化財「相馬野馬追」で、熱中症やその前兆の症状がでて救護所で対応した騎馬武者と観客が同市内で計83人となり、昨年の約4倍だったと発表した。このうち11人が救急搬送された(昨年は1人)。このほか馬111頭が「日射病」になったという。2頭は死んだ。
市によると、甲冑(かっちゅう)競馬や神旗争奪戦がある「本祭り」の30日は、最高気温が35・2度(相馬市)に達した。本祭りの気温としては過去最高だった。
猛暑、開催時期にも影響
野馬追は猛暑の影響を避け、開催時期を春や秋にずらす検討が始まっているが、少なくとも来年は従来通り7月末の予定だ。ただ、門馬和夫市長(相馬野馬追執行委員長)は7日の記者会見で「もっと早く見直せないかという声もある」と、開催時期の変更が前倒しになる可能性にも言及した。
野馬追いは1千年余りの歴史があり、福島県北部の相馬地方を舞台に、武者行列や本祭り、神事などが繰り広げられる。明治時代以降は7月に開催され、「東北の夏祭りの先陣を切る」とのうたい文句も定着している。
今年参加した騎馬武者は、昨年より24騎多い361騎。新型コロナの感染対策がない本格開催となり、3日間の観客数は昨年を15%上回る12万1400人となった。(大月規義)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル