欧米の大学を中心に留学費用が高騰している。ウクライナ危機を受けたエネルギー価格の上昇に加え、1ドル=150円前後まで進んだ円安も重なったためだ。留学をあきらめる学生が続出し、希望者が集まらず中止になる留学企画もある。朝日新聞と河合塾が今夏実施した共同調査「ひらく 日本の大学」には、「異変」を伝える回答が相次いだ。(編集委員・増谷文生)
京都橘大の増井武徳・国際系事務課長は昨秋、ある「変化」を感じた。コロナ禍で中断した留学が再開すると、例年募集定員に達しなかったマレーシアの大学を希望する学生が急増したのだ。
同大の国際英語学部は、2年次に海外の協定校への1年間の留学が原則必修だ。これまでは渡航先はカナダや豪州、英国などが人気だった。
2019年度に英語で学べるマレーシアの2大学に留学したのは計12人だったが、今年度は計24人。各大学の上限は10人だが特例で人数を増やした。「多くの保護者から、留学費用の高騰を心配する声を聞いていた」と増井課長は話す。
「ひらく 日本の大学」調査 朝日新聞と河合塾が共同で、2011年から全国の大学(大学院大学、通信制のみの大学はのぞく)を対象に実施。今年の調査は6~8月に778大学に行い、643大学(83%)から回答を得た。
■大学、アジアで協定校探し…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル