各地で「ポケモンカード」などのトレーディングカード(トレカ)の窃盗事件が相次ぐ中、山梨県警が7月に押収品として公開したトレカがSNS上で物議を醸している。
公開時に一部のカードが輪ゴムで束ねられていたことから、愛好家たちから「価値が下がる」との指摘が相次いだ。事件の被害者は県警の対応は問題がないとしているが、希少価値があるトレカをめぐる捜査には「壁」があるようだ。
発端は7月4日。県警は、同県富士吉田市内のトレカ専門店から1万枚を超えるカードを盗み出したとして逮捕していた20代の男を、埼玉県草加市内にある店舗からも同様に約80枚を盗んだとして再逮捕した。
合わせて男の自宅などから押収した大量のカードを富士吉田署内に陳列し、報道陣に公開した。多くのカードが輪ゴムで束ねられた状態で机の上に積み上げられ、一部はガラスケースに納められていた。
このニュースが報じられると、SNS上では輪ゴムで束ねられたカードについて「痕が付くから返還されても価値がだだ下がり」「(輪ゴムでついた)傷の分の損害賠償って誰が払うのか気になる」などといった声があった。
東京・秋葉原にあるトレカ専門店の店長は「コレクターはカードを輪ゴムで束ねることはせず、ケースに入れて保管する」と話す。
輪ゴムで束ねたことでカードがへこむなどして傷がつくと、買い取り価格は下がる。傷の程度によるが、本来3万円の価値があったカードが1万円台に下がる場合もあるという。
なぜ、県警はカードを束ねたのか。
警察の公開方法に対し、SNS上で生じた物議。肝心の県警と被害者の考えを聞きたくて、取材を申し込みました。
「たたかないでほしい」
実は県警も、束ねることで価…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル