組みつかれ、蹴りかかられ、あるいは拳銃を向けられる――。講道館護身術は、そんな危険を想定し、2人1組で一連の攻防を披露する武術で、投げ技や受け身の「形(かた)」の美しさ、正確さを競う。昨年、関東大会を制した神奈川県警のコンビが連覇に挑んだ。
講道館護身術は柔道の「形」のひとつで、1956年に考案された。21種類の技で構成され、決まった順に演武する。素手で殴ったり武器で襲いかかったりする「受(うけ)」と、攻撃をさばいて仕留める「取(とり)」の役割がある。採点は5人の審査員が行い、最高点と最低点をつけた審査員を除いた3人の合計点で、その技の得点が決まる。
大船署警務課の高橋健治選手(49)と第1機動隊の吉田惟人(ゆいと)選手(34)は、コンビを結成して約1年半になる。「受」の高橋選手は柔道六段。「取」の吉田選手は五段で、2014年の講道館杯の66キロ級準決勝で、当時高校2年の阿部一二三選手(東京五輪金メダリスト)と対戦したこともある。
多彩な「形」をたたき込む
上司の勧めでコンビを組むと、関東大会を73・3点の高得点で制し、同年6月の全国大会では8位に。2人は形の全日本強化指定を受け、今大会も優勝候補と目されていた。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル