砂浜で飲酒などをして3回以上注意を受けても違反行為をやめない場合は退場を勧告する――。
神奈川県逗子市は2年前に導入した海水浴場の退場勧告ルールを今夏から徹底させ、違反者への対応を強化する方針だ。退場者から名前を聞き取ったり、写真を撮ったりして「再犯防止」にも力を入れるという。
逗子市は2014年から条例で、砂浜での飲酒やバーベキュー、スピーカーで音や音楽を流すこと、タトゥーの露出などを禁止している。飲酒は海の家の店内のみ認められ、店で買った酒類を砂浜に持ち込むことはできない。海水浴場の開設期間中は終日適用される。
家族で楽しめるファミリービーチに
市によると、21年からは違反者が3回以上注意してもやめない場合は退場を勧告しており、21年は5件、22年は3件の退場勧告をしているが、違反者が後を絶たない。また、退場勧告は市職員が告げているが、1時間以上もめるケースもあり、警察官の立ち会いのもとで行っているという。
海水浴場の運営については毎年、地元町内会や海岸で営業する事業者、防犯団体などをメンバーとする検討会を開いて協議し、「逗子海水浴場事業者・利用者ルール」を決めている。
これまで退場勧告については特に明文化していなかったが、今夏からこのルールの中に明記し、市のホームページでも公開するという。
さらに、退場を勧告した利用者は、名前を聞き取ったり写真で記録したりして特定に努める。再来場して違反行為をした場合は3回以上の注意を待たず退場を勧告するなど、厳しい措置を検討する。意図的にルールを守らないケースに厳格に対応し、「再犯」を防ぐ狙いだ。警備員も増員するなどパトロールも強化するという。
逗子市の担当者は「家族連れで楽しめるファミリービーチを目指しており、ルールを守ってみんなで楽しめるよう協力をお願いしたい」としている。
今夏の逗子海岸の海水浴場開設期間は6月30日から9月3日までの予定。(芳垣文子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル