政府は4日、近く開催予定の第2回「全世代型社会保障検討会議」(議長・安倍晋三首相)で日本医師会(横倉義武会長)から聞き取りを行う方針を固めた。政府は当初、ヒアリングは与党で行い、党側は聴取した意見を踏まえて政府に申し入れをする段取りを描いていたが、政府内に浮上している医療政策をめぐる患者側の自己負担増に医師会が反発。検討会議が直接意見を聞くことで、医師会に配慮を示す。
検討会議のヒアリングでは横倉氏自らが首相官邸に赴き、意見を述べる予定だ。医師会にとどまらず、他の利害関係者からも意見を聴取する方向で調整している。検討会議は9人の民間メンバーに、首相や関係閣僚を含め計16人で構成。政府は同会議を利害関係者の間での調整の場ではなく、政策を決定するための舞台装置と位置づけている。
だが、政府内で議論の俎上に載っている政策をめぐり、医師会などが強く反発。医師会と立場が異なる経団連の中西宏明会長や経済同友会の桜田謙悟代表幹事が検討会議の民間メンバーに名を連ねていることも踏まえ、党側だけではなく検討会議も意見を聞く必要があると判断した。
具体的には、医師会は(1)75歳以上の後期高齢者の医療機関での窓口負担の原則1割から2割への引き上げ(2)花粉症薬など市販品で代用できる薬(市販品類似薬)の保険適用対象からの除外(3)外来で受診した人の窓口負担に一定額を上乗せする受診時定額負担の導入-に難色を示している。これに対し経団連などはいずれの政策にも前向きな姿勢を示している。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース