今年創始1150年となる祇園祭の前祭の山鉾(やまほこ)「木賊山(とくさやま)」の前懸(まえかけ)が新調され27日、京都市下京区の木賊山保存会で披露された。祇園祭期間中の7月14~16日、会所飾りで初公開される。
前懸は山の正面を飾る幕。新調されたのは「金地唐人市場交(きんじとうじんいちば)流図」で、中国の教養人が掛け軸や書物を見るなど市場で交易する様子が描かれている。川島織物セルコン(同市左京区)の職人2人が、約50色の絹の刺繍(ししゅう)糸を直に綿布に縫い付ける「直刺繍(じかししゅう)」の技法で仕上げた。制作費は約3360万円で、このうち半額は国庫補助でまかなわれるという。
現在の前懸は江戸時代後期19世紀の作とされ、刺繍糸が劣化するなどしたため、3年前から復元新調に向け準備を進めてきた。同保存会の吉村拓哉理事長(59)は「伝統産業の担い手が少なくなるなか、よくここまで刺繍で表現してくれた」と話した。
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