神戸市北区有野町の山中にある採石場で、土砂が流出する恐れのある盛り土があり、市は12日、昨年10月に続いて2度目の行政代執行に着手した。大雨などの災害時に下流域の民家に及ぶ可能性があり、流出を防ぐための防護柵の設置を始めた。
市環境保全課によると、採石場を所有している会社は地元の「北神砕石」。推定の盛り土量は幅約150メートル、高さは最大約35メートルで、許可量(約30万立方メートル)の約1・6倍に及ぶ。外部から運ばれてきた土と、採石場内で出た土が混在しているとみられる。
もし大雨が降った場合、このうち約2・3万立方メートルの盛り土が山から流出し、800メートルほど離れた下流域の約70世帯に被害が及ぶ恐れもあるという。
市は条例に基づき災害発生の防止措置を同社に命じたが、従わなかった。そのため市は昨年10月下旬、流出の危険性がある盛り土約2・3万立方メートルのうち、約1万立方メートルの土砂を同社の代わりに撤去する1度目の代執行に踏み切った。
残りの土砂約1・3万立方メートルについて、流出を防ぐために鋼製の防護柵を設けるよう市は命じたが同社は再び従わず、今回の代執行に至ったという。市は「2度も代執行をするのは異例」としている。
土砂の撤去は3月まで、防護柵の設置は5月までかかる見通し。
この日、現場で代執行の開始…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル