上月英興
福岡県中間市の双葉保育園で2021年7月、園児の倉掛冬生(とうま)ちゃん(当時5)が送迎バス内に取り残され熱中症で死亡した事件で、冬生ちゃんの母親(39)が、当時の園長(45)=業務上過失致死罪で執行猶予付きの禁錮刑が確定=と、園を運営する社会福祉法人「新星会」を相手取り、計約5400万円の損害賠償を求める訴訟を福岡地裁小倉支部に起こした。昨年12月28日付。
訴状で母親は、当時の園長にはバス内を十分に確認せずにドアを施錠した過失があり、新星会には使用者責任があると主張している。
冬生ちゃんの祖父(69)は弁護士を通じ、「刑事判決に対しては、命の代償がこれほど軽いのかとショックを受けた。冬生のためにやれることは全てやっていく」とコメントを出した。一方、新星会は弁護士を通じ「訴状の内容を詳細に検討した上で適切に対応する」などとした。
事件をめぐっては、冬生ちゃんの父親も同様の訴訟を起こしている。(上月英興)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル